経営の壁打ち相手がいない社長へ|社外の「右腕」を持つという選択

採用

「経営のことを相談できる相手がいない」「幹部を採用する余裕はないが、一人で判断し続けるのがつらい」。そんな悩みを抱える社長は少なくありません。

この記事の結論

経営の壁打ち相手は、社内にいなくても、社外に持つことができます。壁打ち相手に求めたいのは、答えをくれることよりも、考えを整理し、優先順位をつけ、実行を後押ししてくれることです。合う相手かどうかは、話を聞く姿勢と、一緒に手を動かせるかで見極めましょう。

この記事では、社外の「右腕」に求めたい役割と、相手を選ぶときのポイントを解説します。

社長に壁打ち相手が必要な理由

中小企業の社長は、多くのことを一人で決めています。

  • 社員には話しにくい悩みがある(人事、お金、会社の将来など)
  • 家族や友人には、仕事の細かい話が伝わりにくい
  • 忙しさの中で、目の前の対応に追われ、考える時間が取れない

壁打ちとは、自分の考えを相手に話し、質問や意見を返してもらいながら、考えを整理していくことです。テニスの壁打ちのように、話すことで自分の考えが跳ね返ってきて、形になっていきます。

壁打ち相手に求めたい3つの役割

1. 考えを整理する

頭の中にある「なんとなくの不安」や「やりたいこと」を、話しながら言葉にしていきます。言葉になると、何が問題で、何を決めればいいかが見えてきます。

2. 優先順位をつける

やりたいこと、やるべきことが多すぎるとき、「今、一番大事なのはどれか」を一緒に考えます。社外の人だからこそ、しがらみなく「これは後でいいのでは」と言える場面もあります。

3. 実行を後押しする

決めたことを実行に移せるよう、次の打ち合わせまでにやることを確認したり、進み具合を一緒に振り返ったりします。必要なら、実際に手を動かして手伝ってくれる相手だと心強いでしょう。

社外の「右腕」を持つ方法

方法特徴
経営者仲間・異業種の交流同じ立場の悩みを共有できる。ただし、定期的に深く相談するのは難しいこともある
公的な相談窓口商工会・商工会議所などで相談できる場合がある。テーマに合わせて使い分ける
顧問・専門家との契約税理士や社労士など、分野が決まった相談に強い
業務委託の「右腕」経営全体を一緒に考え、必要に応じて実務にも入る。定期的な壁打ちに向く

一つに絞る必要はありません。分野ごとの専門家と、全体を一緒に考える壁打ち相手を組み合わせるのもよい方法です。

壁打ち相手を選ぶときの5つのポイント

  1. まず話を聞いてくれるか:最初から答えを押しつけず、こちらの話を最後まで聞いてくれるか
  2. 耳の痛いことも言ってくれるか:同意するだけでなく、気になる点を率直に伝えてくれるか
  3. 自社の事業を理解しようとしてくれるか:業界や会社の事情を知ろうとしてくれるか
  4. 一緒に手を動かせるか:話すだけで終わらず、必要なときに実行まで支えてくれるか
  5. 秘密を守れるか:社内の話や数字を安心して話せるか

壁打ちの時間を有効に使うコツ

  • 話したいテーマを事前にメモしておく:「今日はこれを決めたい」が1つあるだけで、時間の使い方が変わります
  • 決まったことと、次にやることを書き残す:話して終わりにしないために、最後に確認します
  • 定期的に続ける:月に1回など、決まった間隔で続けると、前回からの変化を一緒に振り返れます

業務委託で企業に入ってきた立場から

経営×AIラボを運営するTeam NEXTでは、代表が社外の右腕として経営の壁打ちを行い、必要に応じて専門家がチームで実務に入る形で支援をしています。IT業界で24年、支援企業は20社超、関わったプロジェクトは70件超になります。

一人で考えていると堂々巡りになることも、話してみると意外なほど整理されることがあります。壁打ちは、特別な準備がなくても始められる経営の打ち手の一つです。

壁打ちで話すとよいテーマの例

壁打ちでは、まだ形になっていないことを話して構いません。たとえば、次のようなテーマです。

テーマ話す内容の例
事業の方向性3年後にどうなっていたいか、今の事業のどこを伸ばすか
優先順位やりたいことが多すぎるとき、今どれから手をつけるか
人と組織採用するか、外部に頼むか。誰に何を任せるか
お金と投資何にお金をかけるか。補助金を使えるか
新しい取り組みAIの活用、新しい商品・サービスのアイデア
迷っている判断決めきれずにいること。決めるための材料は何か

「何に悩んでいるのかがわからない」こと自体を話すのも、立派な壁打ちです。話しているうちに、本当に気になっていることが見えてくることもあります。

支援の例:戦略を描ける人が社内にいなかったケース

経営×AIラボを運営する株式会社NEXTGOが支援した例を紹介します(会社名は伏せています)。

  • 業種・規模:システム開発・IT業界の会社(従業員500名)
  • 課題:サービス事業の売上向上と新規事業の立ち上げが求められる一方で、経営企画としての中長期的な戦略設計が不足していた
  • 支援内容:経営企画の立場から、サービス事業の売上向上に向けた戦略の立案と実行を支援。事業構造の見直しと、施策の優先順位づけを実施
  • 成果:サービス事業の売上拡大に貢献(新規獲得、大手企業の実証実験〈PoC〉案件の受託)

規模の大きな会社でも、「一緒に戦略を考え、優先順位をつける人がいない」という悩みはあります。社外の右腕は、社内に足りない役割を、必要な期間だけ補う方法の一つです。

まとめ

  • 経営の壁打ち相手は、社内にいなくても、社外に持つことができます。
  • 壁打ち相手に求めたいのは、考えの整理、優先順位づけ、実行の後押しです。
  • 話を聞いてくれるか、耳の痛いことも言ってくれるか、一緒に手を動かせるかで選びましょう。
  • 話したいテーマをメモし、決まったことを書き残し、定期的に続けましょう。

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石坂

石坂Team NEXT|株式会社NEXTGO 代表

専門家がチームで企業に入り、手を動かして伴走する「Team NEXT」を運営しています。IT業界で24年の経験。支援企業20社超、プロジェクト70件超。

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