「忙しいのはわかっている。でも、何を人に任せればいいのか整理できていない」。そんなときにまずやりたいのが、業務の棚卸しです。
この記事の結論
業務の棚卸しは、業務を書き出し、「社内で持つ」「委託する」「AIに任せる」「やめる」の4つに分ける作業です。完璧を目指さず、まず1週間分の仕事を書き出すところから始めましょう。棚卸しができると、採用するか、外部に頼むか、AIを使うかを、根拠を持って決められます。
この記事では、業務の棚卸しの手順と、そのまま使える表のひな形を紹介します。
業務の棚卸しとは
業務の棚卸しとは、会社の中で行われている仕事を一つずつ書き出し、誰が、どのくらいの時間をかけているかを見える形にすることです。お店の在庫を数える「棚卸し」と同じように、仕事の中身を確かめます。
棚卸しをすると、次のようなことがわかります。
- 社長や特定の人に、仕事が集中していないか
- 本来の仕事以外に、時間を取られていないか
- 外部やAIに任せられる仕事はないか
- 実はやめてもよい仕事はないか
業務の棚卸しの4つの手順
手順1:1週間分の仕事を書き出す
まずは1週間、自分や社員がしている仕事を、細かく書き出します。「営業」のような大きなくくりではなく、「見積書を作る」「問い合わせに返信する」のように、動作がわかる単位で書くのがコツです。
手順2:時間と頻度を書き添える
それぞれの仕事に、1回あたりの時間と、どのくらいの頻度で発生するか(毎日、毎週、毎月など)を書き添えます。おおよそで構いません。
手順3:3つの質問で性質を見る
それぞれの仕事について、次の3つを考えます。
- 会社の中心となる仕事か(お客さまとの関係や、商品・サービスの品質を左右するか)
- 専門的な知識や技術が要るか
- 手順が決まっていて、繰り返しの仕事か
手順4:4つに分ける
性質をもとに、仕事を4つに分けます。
| 分け方 | 当てはまる仕事 |
|---|---|
| 社内で持つ | 会社の中心となる仕事。ノウハウをためたい仕事 |
| 委託する | 専門性が要る仕事。量に波がある仕事 |
| AIに任せる | 手順が決まった繰り返しの仕事。文章の下書きや情報の整理 |
| やめる | 目的がはっきりしない仕事。誰も使っていない資料づくりなど |
「やめる」に分けられる仕事を見つけることも、棚卸しの大切な成果です。
そのまま使える棚卸しの表
次の表を、紙やスプレッドシートに写して使ってください。記入例は、説明のための一般的な例です。
| 業務 | 担当 | 1回の時間 | 頻度 | 中心か | 専門性 | 繰り返しか | 分け方 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| (例)見積書を作る | 社長 | 30分 | 週3回 | ○ | - | ○ | 社内で持つ(ひな形を整えて時短) |
| (例)ホームページの更新 | 社長 | 1時間 | 月2回 | - | ○ | - | 委託する |
| (例)問い合わせへの返信 | 事務 | 15分 | 毎日 | ○ | - | ○ | AIに下書きを任せ、人が確認して送る |
| (例)週報の作成 | 全員 | 30分 | 週1回 | - | - | ○ | やめる(打ち合わせで共有) |
表ができたら、「時間×頻度」が大きい仕事から順に見直すと、効果が出やすくなります。
棚卸しのあとにやること
「委託する」に分けた仕事
外部に頼む範囲と目的を言葉にしてから、依頼先を探しましょう。
「AIに任せる」に分けた仕事
1つの仕事から小さく試し、AIと人の役割分担を決めましょう。
「社内で持つ」仕事で人が足りない場合
その仕事のために、採用を検討します。棚卸しで仕事の中身がはっきりしているので、求人にも具体的に書けます。
棚卸しを続けるコツ
- 完璧を目指さない:最初は抜けがあって当然です。気づいたときに書き足しましょう
- 社員にも書いてもらう:社長が知らない仕事が見つかることがあります
- 半年に1回見直す:仕事は少しずつ変わります。定期的に見直しましょう
業務の棚卸しでよくあるつまずき
つまずき1:大きなくくりで書いてしまう
「営業」「事務」のように大きなくくりで書くと、どこを外に出せるかが見えません。「訪問の日程を調整する」「提案書を作る」のように、動作がわかる単位まで分けましょう。
つまずき2:社長の頭の中だけで書く
社長が把握していない仕事は、意外と多いものです。社員にも、自分の1週間の仕事を書き出してもらいましょう。
つまずき3:書き出しただけで終わる
表を作って満足してしまうと、何も変わりません。書き出したら、「時間×頻度」が大きい仕事を1つ選び、分け方に沿って次の一手を決めるところまで進めましょう。
つまずき4:「やめる」を選べない
これまで続けてきた仕事ほど、やめる判断は難しくなります。「この仕事をやめたら、誰が困るか」を考えてみて、誰も困らない仕事は思い切ってやめてみましょう。
まとめ
- 業務の棚卸しは、仕事を書き出し、「社内で持つ」「委託する」「AIに任せる」「やめる」に分ける作業です。
- まず1週間分の仕事を、動作がわかる単位で書き出しましょう。
- 時間と頻度を書き添え、「時間×頻度」が大きい仕事から見直すと効果が出やすくなります。
- 棚卸しができると、採用・委託・AIのどれを選ぶかを根拠を持って決められます。
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石坂Team NEXT|株式会社NEXTGO 代表
専門家がチームで企業に入り、手を動かして伴走する「Team NEXT」を運営しています。IT業界で24年の経験。支援企業20社超、プロジェクト70件超。


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