デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を使えるのは、中小企業・小規模事業者等です。この記事では、デジタル化・AI導入補助金の対象者を、条件ごとにわかりやすく整理します。
この記事の結論
従業員50人以下の会社であれば、業種を問わず、従業員数の基準は満たします。ただし、それだけで申請できるわけではありません。GビズIDの取得などの申請要件を満たし、対象外となる事業者に当たらないことも必要です。
この記事では、通常枠の対象者の条件を、順を追って確認していきます。
制度の全体像は、こちらの記事で解説しています。
デジタル化・AI導入補助金の対象者:中小企業・小規模事業者の定義
資本金か従業員数の「どちらか」が基準以下なら対象
対象となる中小企業は、業種ごとに次のように決められています。資本金と従業員数のどちらか一方が基準以下であれば対象です。
| 業種 | 資本金 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業、建設業、運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く) | 5千万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5千万円以下 | 50人以下 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| 旅館業 | 5千万円以下 | 200人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
※ゴム製品製造業など、一部の業種には別の基準があります。
従業員数の基準は、いちばん少ない小売業でも50人以下です。そのため、従業員50人以下の会社は、どの業種でも従業員数の基準を満たします。
医療法人、社会福祉法人、学校法人、NPO法人、一般社団法人なども、それぞれの基準を満たせば対象になります。
「常時使用する従業員」とは
「常時使用する従業員」とは、労働基準法で「解雇の予告が必要な人」とされている従業員のことです。会社の役員や個人事業主本人は含まれません。
小規模事業者の定義
小規模事業者は、次のように決められています。
| 業種 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
なお、通常枠の公募要領には、小規模事業者向けに補助率を上げる仕組みは書かれていません。
事業の前提
申請する事業者は、製品やサービスの生産・提供など、生産活動につながる事業を行っていることが前提です。また、導入するITツールも、その生産性の向上に役立つものである必要があります。
申請するために満たすべき主な要件
対象となる事業者であることに加えて、次のような要件をすべて満たす必要があります。
- 日本国内で事業を営んでいること:日本国内で法人登記をしている法人、または日本国内に事業の実施場所がある個人であること
- 最低賃金を守っていること:申請の直近の月に、事業場内で最も低い賃金が、地域別最低賃金以上であること
- GビズIDプライムを取得していること:国の行政手続きで使う共通のアカウントです
- SECURITY ACTIONを宣言していること:IPA(情報処理推進機構)の制度で、情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言するものです。「一つ星」か「二つ星」の宣言が必要です
- 自分で管理する携帯電話番号を登録すること
- 他の補助金と重複しないこと:国などの他の補助金と、同じ事業を重ねて申請しないこと
- 労働生産性を上げる計画を立てること:3年間の事業計画を作り、1年後に労働生産性を3%以上、計画期間の年平均でも3%以上向上させること
- 導入するITツールに比べて、サービス(役務)の費用が高すぎないこと
申請額によっては、賃上げの計画も必要になります。賃上げの条件と、達成できなかった場合の返還については、別の記事で解説しています。
対象外となる主な事業者
上の条件を満たしていても、次のような事業者は申請できません。
- 大企業の影響が大きい会社:同じ大企業が株式の2分の1以上を持っている会社、大企業が株式の3分の2以上を持っている会社、大企業の役員などが役員の半数以上を占めている会社など
- 所得が大きい会社:直近3年分の課税所得の年平均が15億円を超える会社
- IT導入支援事業者として登録している事業者:ITツールを提供する側として登録している(または登録しようとしている)事業者は、補助を受ける側にはなれません
- その他:風俗営業を営む事業者(許可を受けて旅館業を営むものを除く)、過去1年に労働関係の法令違反で送検された事業者、反社会的勢力に関係する事業者、宗教法人、法人格のない任意団体、他の補助金で不正をした事業者など
グループ会社は1社だけ
親会社と子会社、同じ個人が過半数の議決権を持つ複数の会社などは「みなし同一法人」とされ、1社しか申請できません。補助金を受けるために株主や出資比率を変えて申請することも認められていません。
過去にIT導入補助金を使ったことがある場合
過去にIT導入補助金を使った事業者は、次の点に注意が必要です。
- 申請できない期間がある:IT導入補助金2025の通常枠などで交付決定を受けた事業者は、交付決定日から12か月以内は、通常枠に申請できません。
- 条件が厳しくなる:IT導入補助金2023〜2025の通常枠などで交付決定を受けた事業者は、労働生産性の目標が3%ではなく4%以上になります。また、IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、申請額にかかわらず賃上げの計画が必須になります。
- 審査で減点される:IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、審査で減点されます。IT導入補助金2024・2025で導入したソフトウェアとプロセスが完全に一致する場合は、不採択になります。
小規模事業者は持続化補助金も候補になる
従業員が5人以下(業種により20人以下)の小規模事業者は、小規模事業者持続化補助金も候補になります。ホームページや広告など、販路開拓に使いたい場合は、こちらの制度のほうが合う場合もあります。
まとめ:申請前のチェックリスト
- 資本金か従業員数が、業種ごとの基準以下か(従業員50人以下なら従業員数の基準は満たす)
- 生産活動につながる事業を行っているか
- GビズIDプライムを取得しているか
- SECURITY ACTIONを宣言しているか
- 事業場内の最低賃金が、地域別最低賃金以上か
- 労働生産性を上げる3年間の計画を立てられるか
- 大企業の影響が大きい会社や、みなし同一法人に当たらないか
- 過去にIT導入補助金を使っていないか(使った場合は条件を確認)
対象者の条件は、公募の回によって変わる場合があります。最新の情報は、必ず公式サイトで確認してください。
最新の公募スケジュール・詳細はこちら(デジタル化・AI導入補助金 事務局ポータルサイト)

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対象になるかどうかを確認したら、次に大切なのは「補助金を使って何に取り組むか」です。
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※当社はIT導入支援事業者ではありません。ITツールの販売や、特定のツールのおすすめは行っていません。申請書類の作成・代理申請は行わず、申請内容の最終的な判断と記載は事業者さまご自身に行っていただきます。

石坂Team NEXT|株式会社NEXTGO 代表
専門家がチームで企業に入り、手を動かして伴走する「Team NEXT」を運営しています。IT業界で24年の経験。支援企業20社超、プロジェクト70件超。
参照した資料
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」第7回公募〜(2026年10月9日更新)
https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_kaitei_koubo_tsujyo.pdf - 確認日:2026年10月13日(公募要領PDFの内容を確認した日)
※本記事は、上記の公募要領の内容をもとに作成しています。制度の内容は変更される場合があります。最新の情報は、必ず公式サイトでご確認ください。


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