「自社のメディアで集客したいけれど、続けられる自信がない」「担当者もいない」。そんな悩みを持つ経営者の方は多いのではないでしょうか。
この記事の結論
少人数でオウンドメディアを続けるコツは、始める前に「目的」「テーマ」「役割分担」の3つを決めておくことです。記事を書き始めるのは、その後で構いません。AIを使えば下書きの手間は減らせますが、何のために、誰に向けて書くかを決めるのは人の仕事です。
この記事では、オウンドメディアの始め方を、このメディア自体の設計を実例にしながら解説します。
オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、自社で持ち、自社で運営する情報発信の場のことです。会社のホームページの中にあるブログやコラムのページが、代表的な例です。
広告は、お金を払っている間だけ人の目に届きます。一方、オウンドメディアの記事は、一度公開すれば、検索などを通じて読まれ続ける可能性があります。少しずつ記事がたまっていくことで、会社の「資産」になっていくのが特徴です。
ただし、成果が出るまでには時間がかかります。だからこそ、続けられる仕組みを最初に作っておくことが大切です。
ステップ1:目的とゴールを決める
最初に決めるのは、「何のためにメディアを運営するのか」です。
| 目的の例 | ゴールの例 |
|---|---|
| 新しいお客さまを増やす | 問い合わせ・相談の申し込み |
| 採用につなげる | 求人への応募 |
| 既存のお客さまとの関係を深める | 商品の追加購入、紹介 |
ここで大切なのは、アクセス数(PV)をゴールにしないことです。たくさん読まれても、問い合わせにつながらなければ、事業の成果にはなりません。アクセス数は、ゴールに向かうための手段の一つと考えましょう。
ステップ2:読者を決める
次に、「誰に読んでもらいたいか」を決めます。会社の規模、業種、立場、抱えている悩みまで、できるだけ具体的に書き出しましょう。
読者がはっきりしていると、記事のテーマ、言葉の選び方、説明の細かさが決まります。「誰にでも役立つ記事」は、結局誰にも響かないことが多いのです。
ステップ3:テーマを「柱記事」と「個別記事」で設計する
読者と目的が決まったら、テーマを設計します。おすすめは、柱記事と個別記事に分ける方法です。
- 柱記事:テーマ全体を広く解説する記事。そのテーマの入口になります。
- 個別記事:柱記事の中の一つの話題を、深く掘り下げる記事。
柱記事から個別記事へ、個別記事から柱記事へとリンクでつなぐことで、読者が知りたい情報にたどり着きやすくなります。また、テーマを先に決めておけば、「次に何を書くか」で毎回悩まずに済みます。
実例:このメディアの設計
この「経営×AIラボ」は、次のように設計しています。
| 項目 | このメディアの場合 |
|---|---|
| 目的 | 無料相談の申し込み |
| 読者 | 従業員50人以下の中小企業の経営者。社内にAIやITに詳しい人がいない |
| テーマ | 補助金活用、採用(採用しない選択肢を含む)、AI活用の3つ |
| 記事の構成 | テーマごとに、柱記事1本+個別記事9本 |
| 記事の出口 | すべての記事の最後に、無料相談への案内を入れる |
最初に全体の記事の一覧(記事設計表)を作り、記事ごとに「想定する読者の悩み」「狙う検索キーワード」「無料相談へのつなげ方」を決めてから書き始めています。
ステップ4:運用の役割分担を決める
少人数で続けるには、誰が何をするかを決めておくことが欠かせません。
| 作業 | AIに任せやすいこと | 人が行うこと |
|---|---|---|
| 企画 | テーマ案、読者の悩みの洗い出し | どの記事を書くかの決定 |
| 執筆 | 構成案、下書き | 材料(自社の情報・資料)を渡す |
| 確認 | 資料の要点整理の補助 | 事実確認、表現の判断 |
| 公開 | 説明文やタイトルの案 | 公開の最終判断、公開後のページの確認 |
| 改善 | アクセスデータの整理の補助 | 次に何を書くか、何を直すかの判断 |
経営者が全部を一人で抱えると、忙しい時期に止まってしまいます。「最終判断だけは経営者」「下書きはAIと担当者」のように、関わり方を決めておきましょう。記事づくりの具体的な手順は、別の記事で解説しています。
ステップ5:続ける仕組みをつくる
ルールを文書にする
文体、事実確認のやり方、書いてはいけないことなどを文書にしておきます。担当者が変わっても品質を保てますし、AIにルールを渡して下書きさせることもできます。
無理のない更新ペースを決める
最初から高い頻度で更新しようとすると、続きません。「月に2本」など、確実に続けられるペースから始めましょう。
記事をSNSでも活用する
1本の記事をもとに、SNSの投稿をいくつも作ることができます。記事とSNSを一緒に回すと、発信の手間を抑えられます。
定期的に見直す
公開した記事は、そのままにせず見直します。制度や数字が変わったら記事を更新する、読まれていない記事のテーマを見直す、といった改善を続けましょう。
実例:オウンドメディアの始め方と育て方
経営×AIラボを運営する株式会社NEXTGOが手がけた、オウンドメディアの例を紹介します(会社名は伏せています)。
- 進め方:メディア全体の設計(グランドデザイン)とブランディングの再構築から担当。コンテンツ制作にはCanvaを、ライティングと基礎開発にはWordPressを使い、Googleフォームでの受付やSNS投稿など、お客さまとの交流も含めて運用
- 体制:2名にインターン4名を加えた少人数で対応
- 成果:インスタグラムは万単位のアカウント規模に。メディアは最大で月間100万PV(ページの閲覧数)を突破し、企業広告の受注まで成長
また、広告の戦略設計からクリエイティブ(広告の文章や画像)の改善、効果測定までを一貫して支援し、新規の広告売上を2000%成長させた実績もあります。
どちらも、最初に目的と読者を決め、少人数でも続けられる役割分担と仕組みをつくったうえで、データを見ながら改善を重ねてきました。始めるときの考え方は、この記事で紹介した手順と同じです。
ほかの支援の例はこちら(株式会社NEXTGO 支援実績・事例紹介)

まとめ
- オウンドメディアは、自社で運営する情報発信の場です。記事がたまるほど資産になります。
- 始める前に、目的(ゴール)、読者、テーマを決めましょう。アクセス数はゴールではなく手段です。
- テーマは「柱記事+個別記事」で設計すると、何を書くかで迷わずに済みます。
- AIと人の役割分担、ルール、更新ペースを決めておけば、少人数でも続けられます。
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自社メディアを考えている方へ
「メディアを始めたいけれど、何から決めればいいか分からない」。その段階でも大丈夫です。
経営×AIラボ(Team NEXT)では、このメディアと同じように、目的・読者・テーマを決めて、少人数で続けられる運用の形を一緒に考えています。自社メディアのテーマと続け方を、一緒に整理しませんか。

石坂Team NEXT|株式会社NEXTGO 代表
専門家がチームで企業に入り、手を動かして伴走する「Team NEXT」を運営しています。IT業界で24年の経験。支援企業20社超、プロジェクト70件超。


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