「結局、人を雇うのと、外部に頼むのと、AIを使うのと、どれが安いのか」。人手不足の打ち手を考えるとき、多くの経営者が知りたいのがコスト比較です。
この記事の結論
コスト比較は、給与や報酬の金額だけで比べると判断を誤ります。採用には採用費・教育・社会保険・管理の手間が、業務委託には任せ方を決める手間や確認の時間が、AIには使いこなすまでの時間や確認の手間がかかります。「見えにくい費用」まで含めて、同じ業務で比べることが大切です。
この記事では、コスト比較で見るべき項目と、自社に当てはめて比べる手順を解説します。
コスト比較でよくある間違い
- 正社員の月給と、業務委託の月額報酬だけを比べている
- AIの利用料だけを見て、「一番安い」と判断している
- 比べている業務の範囲が、方法ごとに違っている
金額の数字は比べやすい一方で、そのほかにかかる時間や手間は見落とされがちです。
方法ごとにかかる費用の項目
採用(正社員・パート)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 給与・賞与 | 毎月の給与、賞与 |
| 会社が負担する保険料など | 社会保険や労働保険など、会社が負担する分 |
| 採用費 | 求人広告、紹介手数料、面接にかかる時間 |
| 教育 | 仕事を覚えてもらうまでの時間、教える人の時間 |
| 職場の費用 | パソコン、机、ソフトウェアの利用料など |
| 管理の手間 | 勤怠や給与計算などの事務 |
業務委託
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 報酬 | 成果や作業に対して払う金額 |
| 依頼の準備 | 目的・範囲を決めて伝える時間 |
| 確認・やりとり | 定例や成果の確認にかかる時間 |
| 引き継ぎ | 契約が終わるときに、社内に情報を残す手間 |
AI・ITツール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 利用料 | ツールの月額・年額の料金(人数分かかる場合も) |
| 使いこなすまでの時間 | 使い方を覚え、業務に合わせて試す時間 |
| 確認の手間 | AIが作ったものを人が確認する時間 |
| ルールづくり | 入力してよい情報などを決める手間 |
AIツールの料金の目安は、別の記事で紹介しています。
「見えにくい費用」は時間で考える
教育、確認、やりとりなどの手間は、それにかかる時間で考えると比べやすくなります。特に、社長自身の時間は、会社にとって大きな費用です。
- その業務を社長がやると、毎月何時間かかっているか
- 外部に頼んだ場合、確認ややりとりに毎月何時間かかりそうか
- AIを使った場合、確認に毎月何時間かかりそうか
空いた時間で何ができるか(営業、新しい事業の準備など)も、合わせて考えておきましょう。
自社に当てはめて比べる4つの手順
手順1:比べる業務を1つ決める
「ホームページの更新」「経理の入力」など、比べる業務を1つに絞ります。業務の範囲をそろえないと、正しく比べられません。
手順2:方法ごとに、かかる項目を書き出す
上の表を使って、採用・業務委託・AIのそれぞれで、どの項目がかかるかを書き出します。
手順3:金額と時間を見積もる
わかる範囲で、金額と時間を見積もります。わからない項目は、見積もりを取ったり、試しに使ってみたりして確かめます。
手順4:費用以外の点も比べる
| 比べる点 | 採用 | 業務委託 | AI |
|---|---|---|---|
| 始めるまでの早さ | 時間がかかる | 比較的早い | すぐ始められる |
| ノウハウが社内に残るか | 残りやすい | 工夫しないと残りにくい | 手順やルールを残せば残る |
| 量の調整のしやすさ | しにくい | しやすい | しやすい |
| 専門性 | 採れた人による | 専門家に頼める | 定型的な作業向き |
費用が少し高くても、早く始められる、ノウハウが残るなど、自社にとって大事な点で選ぶことも大切です。
組み合わせるという選択
一つの業務を、一つの方法で片付ける必要はありません。たとえば、記事の下書きはAIに任せ、仕上げと確認は社員が行い、集客の仕組みづくりは外部の専門家に頼む、といった組み合わせもできます。
そのまま使えるコスト比較のシート
比べたい業務を1つ決めて、次の表に書き込んでみてください。金額がわからない項目は、時間だけでも構いません。
| 項目 | 採用 | 業務委託 | AI |
|---|---|---|---|
| 毎月かかる金額(給与・報酬・利用料) | |||
| 始めるときにかかる金額(採用費・初期費用など) | |||
| 始めるまでの期間 | |||
| 社内でかかる時間(教育・確認・やりとり) | |||
| ノウハウが社内に残るか | |||
| 量の調整のしやすさ | |||
| 総合評価 |
書き込んでみると、「金額は安いが、社内の時間が多くかかる」「金額は高いが、すぐ始められて社長の時間が空く」など、それぞれの特徴が見えてきます。
まとめ
- コスト比較は、給与や報酬の金額だけで比べないことが大切です。
- 採用・業務委託・AIのそれぞれに、見えにくい費用(教育、確認、やりとりなど)があります。
- 見えにくい費用は、かかる時間で考えると比べやすくなります。
- 比べる業務を1つに決め、項目を書き出し、費用以外の点も含めて選びましょう。
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石坂Team NEXT|株式会社NEXTGO 代表
専門家がチームで企業に入り、手を動かして伴走する「Team NEXT」を運営しています。IT業界で24年の経験。支援企業20社超、プロジェクト70件超。


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