デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)では、どんな費用が補助の対象になるのでしょうか。この記事では、デジタル化・AI導入補助金の対象経費を、公募要領をもとに整理します。
この記事の結論
対象は、事務局に登録されたITツールの導入費用です。ソフトウェアの購入費やクラウドの利用料(最大2年分)に加えて、導入時の設定や研修、保守などのサポート費用も対象になります。一方で、通常枠ではパソコンなどのハードウェアは対象外です。また、ホームページ制作や広告は、対象経費として書かれていません。
この記事では、通常枠の対象経費と、対象外になる費用を解説します。
デジタル化・AI導入補助金の対象経費の基本:登録されたITツールだけ
補助の対象になるのは、IT導入支援事業者が提供し、事務局に登録されたITツールの導入費用です。IT導入支援事業者とは、ITツールを提供するベンダーなどで、事務局の審査を受けて登録された事業者のことです。
つまり、自社で好きなツールを選んで買えば補助されるわけではありません。IT導入支援事業者に相談し、登録されたITツールの中から、自社に合うものを選んで申請します。
登録されているツールは、公式サイトの「ITツール検索」で確認できます。
対象となる費用は、次の3つに分かれています。
| 区分 | 中身 | 補助される範囲 |
|---|---|---|
| ソフトウェア | 業務用のソフトウェア | 買い切り型も、月額・年額のクラウドサービスも対象(利用料は最大2年分) |
| オプション | 機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ対策 | 最大1年分 |
| 役務(サービス) | 導入・活用の支援、導入設定・マニュアル作成・研修、保守サポート | 合計200万円まで |
ソフトウェア
クラウドサービスも対象になる
ソフトウェアは、買い切り型だけでなく、月額や年額で利用料を払うクラウドサービス(サブスクリプション)も対象です。利用料は最大2年分が補助の対象になります。
また、導入するITツールとしてクラウド製品を選ぶと、審査で加点されます。
業務を効率化する「プロセス」が必要
ソフトウェアは、特定の業務を効率化する「プロセス」を含んでいる必要があります。主なプロセスは次のとおりです。
- 共通の業務:顧客対応・販売支援、決済・債権債務・資金回収、供給・在庫・物流、会計・財務・経営、総務・人事・給与・労務など
- 業種ごとの業務:建設業の施工管理、飲食業のセルフオーダー、小売業の売れ筋分析など、業種に特有の業務
- 汎用ツール:文書作成、表計算、グループウェア、Web会議、RPA、チャットボットなど
注意したいのは、汎用ツールだけでは申請できないことです。汎用ツールは、共通の業務や業種ごとの業務のソフトウェアと組み合わせることで、はじめて申請できます。
申請額が150万円未満なら1つ以上、150万円以上なら4つ以上のプロセスが必要です。
オプション
オプションは、ソフトウェアと一緒に導入する次のような費用です。費用は最大1年分が対象になります。
- 機能拡張
- データ連携ツール
- セキュリティ対策
オプションだけでは申請できず、ソフトウェアの条件を満たしたうえで、あわせて申請します。
役務(導入・活用のサポート)
役務とは、ITツールを導入して使いこなすためのサービスです。次の3つがあります。
- 導入コンサルティング・活用コンサルティング
- 導入設定・マニュアル作成・導入研修
- 保守サポート(最大2年分)
役務の費用には、次のルールがあります。
- 役務の合計は200万円が上限です。たとえば、3つの役務がそれぞれ70万円(合計210万円)でも、補助の対象は200万円までです。
- 導入・活用コンサルティングは、1回の申請で1つだけです。
- 導入設定・研修と保守サポートは、導入するソフトウェアと対になっているものに限られます。
また、導入するITツールに比べて、役務の費用の割合が著しく高い場合は、申請の要件を満たしません。
対象外になる費用
次のような費用は、補助の対象になりません。
- 補助金の申請や報告を代行してもらう費用
- 交付決定の前に購入したITツール
- リースやレンタル契約のITツール
- 中古品
- 交通費・宿泊費
- 消費税
- 申請の時点で利用金額が決まっていないもの
- 外部に無料で提供されているもの
- 自社の顧客が実質的に負担する費用が含まれているもの
また、ソフトウェアの機能によっては、プロセスの対象にならないものもあります。たとえば、顧客情報を保存・表示するだけの顧客管理ツールや、仕訳機能も会計ソフトとの連携もない経費精算ツールは、対象外とされています。
よくある疑問
パソコンやタブレットは対象になる?
通常枠では、パソコンやタブレットなどのハードウェアは対象経費に入っていません。ハードウェアが対象になるのは、インボイス枠(インボイス対応類型)です。
ホームページ制作や広告は対象になる?
通常枠の公募要領では、ホームページ制作や広告の費用は、対象経費として書かれていません。詳しくは公式サイト・事務局で確認してください。
ホームページや広告など、販路開拓に使いたい場合は、小規模事業者持続化補助金が候補になることもあります(小規模事業者が対象)。
AIツールは対象になる?
公募要領では、対象のソフトウェアにAIを含むと書かれています。ただし、対象になるのは登録されたITツールだけです。使いたいAIツールが対象になるかは、「ITツール検索」や事務局で確認してください。
まとめ
- 対象は、事務局に登録されたITツールの導入費用です。
- クラウドの利用料は、最大2年分が対象です。
- 導入設定・研修・保守などのサポート費用も、合計200万円まで対象になります。
- 汎用ツールだけ、オプションだけでは申請できません。
- 通常枠では、ハードウェアは対象外です。
対象経費の詳細は、公募の回によって変わる場合があります。最新の情報は、必ず公式サイトで確認してください。
最新の公募スケジュール・詳細はこちら(デジタル化・AI導入補助金 事務局ポータルサイト)

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石坂Team NEXT|株式会社NEXTGO 代表
専門家がチームで企業に入り、手を動かして伴走する「Team NEXT」を運営しています。IT業界で24年の経験。支援企業20社超、プロジェクト70件超。
参照した資料
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」第7回公募〜(2026年10月9日更新)
https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_kaitei_koubo_tsujyo.pdf - 確認日:2026年10月13日(公募要領PDFの内容を確認した日)
※本記事は、上記の公募要領の内容をもとに作成しています。制度の内容は変更される場合があります。最新の情報は、必ず公式サイトでご確認ください。


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