デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)で交付決定を受けたら、次は何をすればよいのでしょうか。この記事では、補助金の採択後にやることを、順番に解説します。
この記事の結論
交付決定のあとは、契約・発注 → 導入 → 支払い → 実績報告の順で進め、補助金を受け取ったあとも効果報告が続きます。手続きの順番や支払い方法を間違えると、補助金を受け取れないことがあります。そして、補助金の本当の目的は、導入したツールで事業の成果を出すことです。
この記事では、採択後の手続きと、ツールを使いこなすためのコツを解説します。
補助金の採択後の全体の流れ
交付決定を受けてから、補助金を受け取り、効果報告を終えるまでの流れは次のとおりです。
- 交付決定:申請マイページで、交付決定の通知を受け取る
- 事業の実施:ITツールを契約・発注し、導入して、代金を支払う
- 実績報告:IT導入支援事業者と一緒に作成し、事業者本人が提出する
- 補助金の交付:補助金の額が確定し、事務局から補助金が支払われる
- 効果報告:導入後の状況や、生産性・賃上げの数字を報告する
公募要領では、事業の実施と実績報告の期間は、交付決定日から6か月程度とされています。詳しい締切は、事務局のポータルサイトで確認してください。
事業の実施:順番を守る
必ず「契約・発注」から始める
事業の実施とは、次の3つの手続きを行うことです。
- ITツールの契約・発注
- ITツールの納品・導入
- ITツールの代金の請求・支払い
このうち、契約・発注は必ず最初に行います。交付決定の前に契約・発注した場合は、補助の対象になりません。
また、代金を支払う前に、必ずIT導入支援事業者から請求を受けている必要があります。請求より先に支払ってしまうと、補助金を受け取れず、交付決定が取り消される場合があります。
支払い方法に注意する
支払い方法は、原則として次の2つだけです。
- 銀行振込:補助事業者名義の口座から、IT導入支援事業者の口座へ振り込む(窓口やATMでの現金払いは不可)
- クレジットカードの1回払い:法人の場合は法人名義の口座から引き落とされるカード、個人事業主の場合は本人名義のカード
分割払いやリボ払い、補助事業者名義でない口座からの支払いは認められません。
実績報告:証拠をそろえる
事業が終わったら、実績報告を行います。主に次の書類が必要です。
- IT導入支援事業者から受け取った請求書(一式表記の場合は明細も)
- 補助事業者の口座から支払ったことが分かる振込明細など、またはクレジットカードの利用明細
- 補助金を受け取る口座の情報(通帳の表紙など)
- ITツールを利用していることが分かる画面のキャプチャ
実績報告を出すまでに、すべてのITツールの導入が終わり、利用が始まっている必要があります。
効果報告:3年間続く
補助金を受け取ったあとも、効果報告が続きます。
- 事業計画期間の前:ITツールを使い続けていることを証明する書類を報告します。
- 1年度目〜3年度目:営業利益、人件費、総労働時間、1人当たり給与支給総額、事業場内の最低賃金などの数字を、毎年報告します。
賃上げの目標が必須となる申請で、効果報告を期間内に出さなかった場合や、目標を達成できなかった場合は、補助金の返還を求められることがあります。
採択後に守ること
- 経理を分けて管理する:補助事業の経理は、ほかの経理と区別して帳簿で管理します。
- 書類を5年間保管する:契約書、請求書、振込の控えなどを、事業が終わった年度の終わりから5年間保管します。
- 変更があったら届け出る:住所や代表者が変わったときは、申請マイページで変更の手続きをします。
- ツールを他人に渡さない:補助金で導入したソフトウェアを、他の会社などに提供してはいけません。
- 解約するときは辞退の手続きをする:導入したツールを解約・利用停止した場合は、辞退の手続きが必要です。補助金の全部または一部の返還(加算金つき)が必要になる場合があります。
- 立入調査に協力する:事務局などが、予告なく調査に来ることがあります。協力しないと、交付決定の取消しになる場合があります。
導入したツールを使いこなすコツ
手続きを守ることと同じくらい大切なのが、導入したツールを事業の成果につなげることです。効果報告で求められる生産性や賃上げの目標は、ツールが社内で使われなければ達成できません。
1. 担当者と責任者を決める
「誰がツールを使い、誰が定着を見守るのか」を、導入前に決めておきます。経営者が任せきりにせず、定期的に使われ方を確認することが大切です。
2. 業務のやり方も一緒に変える
ツールを入れても、業務の手順が以前のままでは、効果は出にくくなります。ツールに合わせて、どの作業をやめるか、どう変えるかを決めましょう。
3. 小さく始めて、広げる
最初から全員・全業務で使おうとすると、現場の負担が大きくなります。まずは一つの業務や一部の担当者から始め、うまくいったら広げていく方法もあります。
4. 数字で効果を確かめる
作業時間や件数など、導入前後で比べられる数字を決めて記録しておきましょう。効果報告の準備にもなり、次の改善にもつながります。
まとめ
- 交付決定のあとは、契約・発注 → 導入 → 支払い → 実績報告の順で進めます。
- 支払いは、補助事業者名義の口座からの銀行振込か、クレジットカードの1回払いです。
- 補助金を受け取ったあとも、3年間の効果報告があります。
- ツールを解約すると、補助金の返還が必要になる場合があります。
- 担当者を決め、業務のやり方も変え、数字で効果を確かめましょう。
最新の公募スケジュール・詳細はこちら(デジタル化・AI導入補助金 事務局ポータルサイト)

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補助金の活用を考えている方へ
立ち上げたい事業や進めたい企画があれば、補助金を活用して効率よく展開できる場合があります。
ただ、補助金で大切なのは、採択されることよりも、導入した仕組みで事業の成果を出すことです。ツールが社内で使われ、生産性や賃上げの目標につながってはじめて、補助金を活かせたと言えます。
経営×AIラボ(Team NEXT)では、採択後の事業の進め方や、目標達成に向けた計画の見直しをお手伝いしています。導入した仕組みを成果につなげるために、一緒に整理しませんか。
※当社はIT導入支援事業者ではありません。ITツールの販売や、特定のツールのおすすめは行っていません。補助金の申請書類・報告書類の作成や代理での提出は行わず、手続きは事業者さまご自身に行っていただきます。

石坂Team NEXT|株式会社NEXTGO 代表
専門家がチームで企業に入り、手を動かして伴走する「Team NEXT」を運営しています。IT業界で24年の経験。支援企業20社超、プロジェクト70件超。
参照した資料
- 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局「デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)」第7回公募〜(2026年10月9日更新)
https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_kaitei_koubo_tsujyo.pdf - 確認日:2026年10月13日(公募要領PDFの内容を確認した日)
※本記事は、上記の公募要領の内容をもとに作成しています。制度の内容は変更される場合があります。最新の情報は、必ず公式サイトでご確認ください。


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